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解析結果

それぞれ異なる重点疾患をもつ6つの国立高度専門医療研究センター(NC)の研究者が連携することにより、NDBを用いて様々な疾患の有病者数など、今後の日本の保健医療・人々の健康を考えるうえで有用な情報をお示しします。

対象疾患(2024年3月時点):

国立がん研究センター:胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、肝がん、子宮体がん ー順次公開予定

国立精神・神経研究センター:神経筋疾患(代謝性ミオパチー、筋ジストロフィー、運動ニューロン疾患、先天性ミオパチーなど)ー順次公開予定

国立国際医療研究センター:糖尿病ー公開中、他疾患ー準備中

国立成育医療研究センター:成育に関わる疾患・障害としての小児精神・発達障害 ー順次公開予定

国立循環器病研究センター:準備中

国立長寿医療研究センター:準備中

※各NCで分割したデータを利用しており、データの受領と解析結果が整い次第、随時更新をしていきます。 また、対象疾患の拡充も検討しています。

解析内容:

いくつかの疾患定義による疾患の有病者数(2012―2020年度)

NDBを用いて有病者数等を算出する際には、どのような疾患定義を用いるかが重要な論点となっているため、現場で使用される可能性のある複数の疾患定義を用いて算出しました。

コロナ前後での各疾患の受診者数の推移(2017年4月―2021年10月)

COVID-19は社会的に様々な影響を及ぼしたと言われています。NDBを使ってCOVID-19前後の各疾患の受診者数の推移を示しました。

全体を通した留意点:

レセプト情報の二次解析であるため、直接的に有病者数等を示しているわけではなく、解釈の際にいくつかの留意点があることをご承知おきください。

  • 本公開データでは、レセプトの病名や医薬品、診療行為の情報を単独、もしくは組み合わせて疾患の定義を試行的に作成しています。そのため、レセプト(請求)データに含まれていない患者数は本データには含まれていません。具体的には、以下の例が含まれていません。
  1. 診療所や病院を受診していない患者(病気になっているものの未受診の患者や受診中断している患者など)
  2. 公的医療保険を利用していない患者(労働者災害補償保険、自動車損害賠償責任保険など)
  3. 全額公費負担の医療を受ける患者(現時点で申請して受け取る特別抽出データでは、全額公費負担のデ ータも提供データに含まれるようになっていますが、本研究事業で申請した時点では全額公費負担のデ ータの提供が認められておらず、含まれていません)
  • レセプト上の傷病名と実際に有する傷病名に差異があることがあります。すなわち、傷病がないのに請求のために傷病名を記載したり、治療が完了しても以前の傷病名が残っていたり、逆に、実際の傷病名とは異なる傷病名のもとで治療を行なったりすることもあり得ます。これらの課題は疾患によって影響の程度が異なります。また、複数の定義を組み合わせてみることで、これらの影響を考慮して、解釈することが必要となります。
  • 本研究で利用したNDB特別抽出データは個人を識別する完全な固有識別子を持たず、代わりに、生年月日・性別の他に保険関連の情報を組み合わせて匿名化したID1と、姓名の情報を組み合わせて匿名化したID2が提供されています。本研究では、保険の変更や姓名の変更(婚姻などによる)、記載間違いによる連結不可能性を乗り越えるために、これらを縦断的に見てどちらかが同じものは同じIDとしてみなしていますが、この方法では同じ保険に入っている同性の双子(生年月日、性別が一緒)は区別できず、また、この方法でも、両方のIDが同時期に変更になった人については連結ができません。現在蓄積が始ま っているNDBデータでは、個人を識別する完全な固有識別子(ID5)を付与するようになっていますが、本研究で利用したデータには含まれていません。

【参考:JMA Journal Vol. 6, No. 3, 2023 (2023年7月14日号)

各疾患についての留意事項は、以下をご覧ください。

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糖尿病